短編集・読み切り ◆ 「イテ。 もう乱暴だなぁ、ミツは」 軽い一発だったから痛くなんてないはず なのに、島崎は口を尖らせる。 けれどその顔は隠そうともしない笑みが 溢れていて、むしろオレに叩かれて喜んで いるようだった。 まったく島崎のツボは理解できない。 理解はできないけど、笑うその目が欲情 に染まっている。 たとえ島崎にだってケツに突っ込まれる なんて死んでもゴメンだけど、島崎がオレ に欲情してるんだと思うと背筋をゾクゾク とした感覚が走る。 溢れてきそうな欲で濡れる目も、乳首を しゃぶったばかりで唾液で濡れる唇も、そ の唇から吐き出される吐息も、全てオレに 向けられていてオレの性欲をどうしようも なく掻き立てる。 言葉や気持ちに拘ることが煩わしく思え てしまう。 触れ合ってこんなにも気持ちいいのだから、 今はその快楽を思うまま貪ってもいいのでは ないか。 あの濡れた唇に唇を重ね、温かくてぬるぬ るした島崎の舌を思う存分味わいたい。 そしてキスしながら島崎の手に扱かれたら、 きっとすぐにでも達してしまえるだろう。 ぐちゅっと音をたててオレのチ●ポを扱く 島崎の手が滑った。 キスしたい、と島崎の唇を見つめながら想 像しただけだというのに、ゆるくしか扱かれ ていなかったオレのチ●ポは島崎の手の中で すっかり天を衝いていた。 「ねぇ、ミツ」 ぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてながらオ レのチ●ポを緩やかに擦る島崎がずいっと 顔を近づけてくる。 オレの乳首を弄ってチ●ポを擦ってるだ けだというのに、その視線がやけに熱っぽ く絡みついてくる。 「ね、先っぽだけ。いい?」 「さきっ…、なにっ?」 “先っぽってなに”と全て言い切る暇も なくオレの先走りで十分に濡れた指先が尻 の奥の窄まりの表面をぬるっと撫でた。 「バッカ、何やってんだよ!?」 ありえない、とキュッと窄まるその表面 に濡れた指先が擦りつけられる。 「ね、ちょっとだけだから」 「無理ムリむりっ! そんなとこ触んな、バカ島崎っ」 高ぶっていた体が現実に引き戻されてそ の指先から逃れたいと身を捩る。 “先っぽだけ”なんて言ってしまう島崎 の体はおそらくすっかりその気になってい る。 だけどどう頑張っても無理だ。 仮に島崎に突っ込ませてくれるからと交 換条件を出されたとしても、オレが島崎の を受け入れるなんてことは無理なのだ。 あんな太いの、突っ込まれたらきっと尻 の穴が裂けてしまう。 考えただけで島崎がぬるぬると扱いてい るチ●ポが萎んでしまいそうだ。 「オレをオナホ代わりにすんなっ」 目の前のトリ頭をベシベシ殴ってやりた い気持ちを抑えて、まずはその狭い場所に 入り込もうとする指先を押さえて引き剥が しにかかる。 [*前][次#] |