悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * 母さんと父さんは互いに視線を交わす。 どうだろう。ダメかな? でもチャコが使ってたのの余ったペット シートとか残ってたはずだし…。 「あ、あのっ、私、秋月沙耶です。 責任もって里親探しするので、 どうかお願いしますっ」 すぐ後ろを振り返ったら、まだ息が整わ ない彼女が勢いよく頭を下げていた。 「アキラのお友達?」 「うん。クラスメイト」 今さっきまで話したこともなかったなん て本当のことを言ったらダメって言われそ うでとっさに頷いていた。 子猫に罪はない。 「…ミャー…」 子猫の鳴き声が響いた。 彼女のポケットがモゴモゴ動いている。 「あら、連れてきちゃったの?」 「だって往復してる時間なかったから」 ポケットから出してもらった子猫はプル プルと小さな首を振った。 「あら可愛い」 その愛くるしい姿に顔を綻ばせて、母さ んは子猫に顔を近づけた。 以前飼ってた愛猫チャコにもよくしてい た、猫同士の挨拶。 本能に刷り込まれていることなのか、子 猫は教えられてもないのに自分からも顔を 近づけてクンクンと小さな鼻をならした。 [*前][次#] |