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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「そ、そもそもなんでクロードがそんなこ

 と知ってるんだよ?

 自宅はともかく、兄貴が借りてる部屋の

 住所なんて教えた覚えないけど?」


 ましてその部屋で何をしているかなんて

外からわかりようもないはずなのに…と眉

をひそめる。

 ちょっと外を歩いただけで文句を言って

るクロードがストーカー紛いのことをする

とも思えないし…と追及しようとした矢先


「もう資料見つかったのか?」


 すでに本を2〜3冊抱えた加我がこっち

にやってきていた。


「あ、いや、ごめん…。

 加我はもう選び終わったのか?」

「グラフとかコピーで済むと思うけど、一

 応は」


 加我は淡々と話しているけど、先程から

騒いでまともに本に目を通していない自分

が申し訳なくなる。

 確かにクロードの握っている情報がどこ

から手に入れたものなのかは気になるけ

ど、とにかく今は自由研究を片付けるのが

先だと考えを切り替えた。

 ちゃんと本を探すなら俺はクロードと別

行動をしなきゃならない。

 でないとクロードがいつまでも絡んでく

るだろう。


「じゃあ俺はあっちの棚を探すから、クロ

 ードはここ探してくれ」


 持っていた本をパタッと閉じてクロード

の胸に有無を言わさずに押し付けてその場

を離れた。



「…かわええなぁ、相変わらず」

「嫌われたくないならあんまりいじめてや

 るなよ?」


 俺が離れたその場所で、クロードと加我

がそんな会話をしたなんて露知らず。





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あきゅろす。
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