悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
「人がつくる夢の世界には、必ず“休止”
がはいる。
その休止の瞬間に、10%だけお前の
“夢”を混ぜろ。
それを繰り返してその世界を自分のフィ
ールドにするんだ」
人はレム睡眠とノンレム睡眠っていう深
い眠りと浅い眠りを繰り返してる。
人が夢を見る時は眠りの浅いノンレム睡
眠の時間だけで、ノンレム睡眠とレム睡眠
を何度も繰り返して人は目覚める。
夢魔はその名の通り、夢渡りをするけれ
ど、夢魔がその人の意識の中にいられるの
はノンレム睡眠の間だけなんだって。
だから必ず夢を渡らないといけない。
一人の人の意識の中だけには留まれない
から。
そしてその人の夢に入り込んだら、自分
の意識を保ちながら少しずつ自分が作り出
した“夢”を混ぜて自分のものにしてい
く。
やがてそれが100%になったら、もう
その世界では自由になんでもできる。
それが夢渡りをしても自分自身が消され
ないための方法なんだって男の人は言って
た。
夢魔ならそこで気持ちの良い夢をみせて
生気を少し分けてもらう…らしいけど、ぼ
くには絶対に必要なものじゃないって言わ
れた。
それはぼくの体には何割か人間の血が入
っていて、現実の世界で食べ物を糧とする
ことができるからだって男の人は言った。
それでも幼かったぼくの意識は誰かの夢
に流れつきやすくて、物心つく頃にはもう
夢渡りは毎晩の日課になってた。
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