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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 もう二度とやるまいと思っていたのに

…1年の秋、文化祭の準備中に他の書類

と一緒に日記帳代わりにしていたスケジ

ュール帳をうっかり部室の机の上に置い

て出たのがいけなかった。


 莉華にそれを見られてしまった。

 当時新聞部だった先輩への気持ちを書

いた日記帳を。


 …乙女趣味とか言わないように。

 わかってますよ、似合わないって…。


 それをネタに2年の冬までは手伝わさ

れて、でも先輩が卒業して3年になった

からには同じネタは通用しないと安心し

ていた矢先だった。


「はいはい。莉華はおかしくない、おか

 しくない。これでいいでしょ」

「心がこもってませんわ!

 もっと気持ちを込めて言って下さいな」


 莉華お嬢様はご立腹らしい。

 じっと見つめてくる眼差しがキツイ。

 これはこのままこじれさせるとどんな悪

戯をされるか分からない。

 今までの経験があたしに警告している。


「はいはい。

 莉華は可愛いですよ」

「…そんなんじゃ騙されないんですからね

 …」


 頭をぽんぽん撫でられながらも不満げな

声が尻すぼみになっていく。

 どうやら莉華の機嫌はなんとか取り戻せ

たらしい。





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