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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 俯いて黙り込んでいたら空いていた方の

手がそっと俺の頬に触れてクロードの方を

向かせるとコツンと額が触れ合った。


「言いたくないんやったら無理には聞かへ

 ん。

 ただ言えるようになったら聞かせてな?

 駆の気持ち、ちゃんと知りたいねん」


 穏やかな声でそう言って、鼻先が触れ合

うほど側にあった唇が唇に触れた。

 繰り返し啄むようなキスが繰り返される

とキスの合間に吐息が漏れて体から力が抜

けていく。

 繰り返される優しいキスが心地よくて絡

めたままの手をギュッと握るとクロードの

舌が唇を舐めた。


「んっ…舌は、ダメ…」


 吐息混じりの声で嫌だと告げると、触れ

るだけのキスが唇から頬、首筋へと落ちて

いく。

 擽るように降るキスはまるで愛撫のよう

で心地よいそれをダメとも言えずに酔って

いると、鎖骨のあたりまでおりたクロード

の唇が不意に離れた。


「…あかん。

 なんで今日はそんなに素直なん?

 この後の予定キャンセルしてこのままこ

 こで食べたくなるやん」

「そんなの、知らない…」


 いつもは始めてしまったら終わるまで手

放してくれないクロードに手を引かれてし

まって物足りないなんて恥ずかしいから口

が裂けても言えない。


「そないにかわええ顔しとったら食べたく

 なってしまうやないか…。

 もう行こ。

 どうせここでするんは嫌なんやろ?」


 クロードの言葉に黙って頷きながら、決

して言えない胸の内では切ない溜息をつい

た。





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あきゅろす。
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