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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*



【DD:“やぁ。アレを突破するプログラム

 ができたって?”

 mic:“おぉ、DDじゃないか!

 そうなんだよ、またcrazeがやらかして

 くれたらしいんだ。

 自分でも頑張ってたつもりだけど、こ

 れは悔しいね”】


 青年が使ってるハンドルネームの由来な

ど他愛もない。

 ただ名前を何度か捻っただけのもので愛

着もなにもない。

 ただ匿名でいる個人を示す識別番号のよ

うなものだ。

 西門からスタートして、SIMON、シモ

ン、死門ときてそれをそのまま個別に英訳

したものを繋げただけ。

DD…『Door of death』。

 それでもある程度この世界で年数を重ね

てそれなりの業績を示すと愛称や通り名が

つくこともある。


【craze:“ハーイ、BD。

 micがはやとりちなんだよ、誤解しない

 でくれ。

 まだこれから作るところさ。まだ完成し

 たわけじゃない”

 DD:『Ripper』、でも君のことだから

 本気を出せばきっとすぐだろう。

 micが言いたいのはそういうことだと思

 うけどね”】


 BDというのは、『Bringer of death』の

略らしい。

 以前ちょっかいをかけてきたクラッカー

を愛用のパソコン丸ごと返り討ちにして

実質的に引退させた(首を切った)ことから

そもそものHNであるDDと意味を絡めていつ

からか『Bringer of death(死をもたらす

者)』と呼ばれるようになっていた。

 『Ripper』はかつてロンドンの街を震撼

させたJack the Ripper(切り裂きジャック)

からだという話だ。

 新しく導入される強固な保護プログラム

を誰よりも早く、知られぬうちに切り裂く

者という噂だ。

 死や猟奇的な通り名がつくこともあるが

それは所詮通り名で直接血でその手を汚し

ているわけではない。

 ただ先手か後手かの違いはあるが、モニ

ター越しに大なり小なりの被害は与えられ

るのは間違いなく、死かそれに近いところ

まで追いつめることならば彼らは躊躇しな

い。

 画面越しの知りもしない相手に容赦をす

ることもない。

 時には大胆に、時には闇の中で息を潜め

て。

 インターネットという目には見えない仮

想空間で繰り返されるそれらは、ゲームよ

り刺激的で、毒より甘い。

 一度味を知ってしまうと身を滅ぼすまで

抜け出せなくあるあたり、麻薬に近いもの

があると語る者もいる。

 一部の頭のキレる者たちの遊戯だという

者もいるが、法の境目より正気と狂気の境

目が曖昧になる事実は“今日のハッカーは

明日のクラッカー”という言葉に如実に示

されている。


 ハッカーとは本来コンピューターや電気

回路について深い技術的知識を持ち、その

知識で技術的な問題を解決する人々のこと

をさす。

 ハッカーの中でも優れたハッキング能力

を持つ者はウィザードやグルと呼ばれ、ネ

ットワークに不正に侵入したり、システム

の破壊などの悪意を持った行為をする者は

クラッカーと呼ばれる。

 現在の日本で言うハッカーとは、このク

ラッカーにあたるだろう。

 




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