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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「でも一回出した位じゃ駆のは萎えへんみ

 たいやな。

 ほんまに啜ってしまってええん?」


 今しがた放ったばかりの白濁を零しなが

ら俺の熱はまだ反り返っていて、そこに向

けられたクロードの視線が肌を舐る。

 あられもない股間を膝を閉じて隠してし

まいたかったが、こちらに尋ねてくるクロ

ードの指先が張りつめた袋を指先でつつい

てきて触れられてもいない蕾がキュンキュ

ンと反応してしまった。


「うん…。して、ほしい」


 小声で頷きながら頭の芯が茹っていく。

 このままじゃ空港に降りられないなんて

言い訳だ。

 1秒でも早く、クロードの口内に包まれ

たい。

 たっぷり舐めて啜ってほしい。

 その吐息と体温で今までの寂しさも欲求

不満も溶かしてしまって。

 難しいことを考えるのはその後でいい。


「そんな目ぇされたら、ほんまに全部啜っ

 てまうで?」


 欲情した目でクロードが頬笑む。

 ゴクリと喉を鳴らす俺の耳ももう熱が駆

け上がっていた。


「あっ、くッ…!」


 その生温かい口内に先端を咥えこまれた

直後にもう二度目の射精感が下半身を包ん

でいた。

 ゴクリと喉を上下させながら俺の放った

ものがクロードの体内へと流れこんでいく。

 二度も達したのにクロードに咥えられた

熱は未だ芯をもったままで、しかしそんな

羞恥心すら溶かすほどクロードの唾液たっ

ぷりの口内に包まれる快楽は強力だった。

 どうしようもなく気持ちいい。

 もう空港に着いた後の事など考えずに一

滴残らずクロードに啜り上げてほしい。

 俺が一言そう頼めば、きっとクロードは

躊躇わないだろう。

 だからクロードに伝えることは出来ない

けれど。


「クロー、ぁっ、んんっ」


 言葉がちゃんと言葉にならない。

 熱と快楽が腰のあたりで渦巻いて、壊れ

た蛇口のようにクロードに啜られるまま白

濁をその喉の奥へと零し続ける。

 俺に出来ることと言えば、いつ添乗員が

通りかかるか分からない壁の向こうの通路

に声が漏れないように喘ぎを控えめにする

ことだけだ。

 俺はもう何も考えずにクロードの髪に指

先を埋めた。


 つぷっ


「ぁっ、そこは…っ」


 幾度目かの吐精を終えたあたりで濡れた

指先がヒクヒクと縁を震わせていた蕾に触

れた。

 ぬるりと滑る指先は簡単に蕾の縁を押し

て隙間から指の先だけ体内に入り込む。

 そんなところまで手をつけられたら本当

に歩けなくなってしまうと焦るけれど、ク

ロードの指先を直で感じる縁はもっと奥へ

と指先を誘う。


「なんや入れて欲しそうやったから。

 しっかし久しぶりやから狭いなぁ。

 こんな狭いんやったら、ちゃんと解さん

 と俺の入らへんで?」


 そこに触れたら引くことはないのだとい

う意思表示のようにクロードの指先は嬉々

として指先を呑み込む縁の奥へと進んでい

ってしまう。

 今確かに体内にいるのだというように指

を大きく動かされると、その指を喜んで縁

が締め付ける。

 そんな場所をクロードの大きなものでい

っぱいにされる想像が脳裏を掠め、クロー

ドの口内でヒクリと震えた小さな穴からと

ろりと一滴流れた。

 中の具合を確かめるように動き回る指先

を濡らしていたものが何であったか、俺が

気づいたのは体内に深々とクロードの指先

を受け入れてからだった。


「あっ…はぁっ…!」


 体内の粘膜でクロードの指を味わってい

ると触れている部分から甘い痺れが広がっ

ていく。

 クロードの口内で何度も精を吸われた俺

の熱がピクンと反応し、クロードの指先を

呑む蕾は忙しなくキュウキュウとその指を

締め付けた。


「クロードっ、ぁッ、ゆ、びぃっ」

「ん?

 ええとこ擦って欲しいん?」


 俺の中に入っている指にたっぷり唾液を

つけただろうと言いたいのにクロードは真

逆の憶測を口にする。

 違うと緩く首を振ったけど間に合わなか

った。


「違っ、ぁっ、ひぁッ!」


 体の奥の一点をコリコリと弄られると声

を抑えることすらできなくなった。

 大きく開いてしまった唇の代わりに蕾が

クロードの指を決して離すまいと締め付け

てしまう。

 せめて声だけはと唇を噛むと俺の下半身

に顔を埋めていたクロードが顔を上げた。


「なんで声抑えてしまうん?

 もっと可愛え声聞かせてや」

「廊下に聞こえる…っ」

「関係あらへん。

 駆が聞かれたくないんやったら俺が能力

 でどうにでもしたる。

 せやからもっと声聞かせてや」


 クロードの口内から出てきた俺の熱はク

ロードの唾液に塗れて光り、そんな竿を緩

く扱きながらクロードはその下の袋を甘く

咬んだ。


「い、あぁッ」


 嫌だという言葉すらまともに声にはなら

ず、下半身の甘い痺れに抗う気力すら奪っ

ていく。

 体も心もどうしようもなく気持ち良くて、

クロードの体温が吐息が愛おしい。

 全て搾り取って、心の隅々まで満たして

ほしい。

 なけなしの理性はその欲求の前にあっけ

なく萎んでいく。


 コリコリコリ


「ひッ、あッ、あぁ…ッ!」


 クロードの唾液に塗れる指で弱い場所を

集中的に弄られて腰が揺れる。

 もう殆ど水みたいになった蜜は、再び俺

のを口に含んだクロードに啜られて喉の奥

に消えていく。

 クロードの指を咥える蕾は痛い位その指

を締め付ける一方で、もっと質量のあるも

のを求めるように解れてクロードに指に絡

みつく。

 イギリスの空港に到着するまであと何時

間なのか。

 そんな些細な疑問すらもう俺の頭には思

い浮かばなかった。




 心地よい揺れに揺り起こされた時も、俺

はすぐ近くにクロードの体温を感じていた。

 座り心地のいいシートに体を埋めてクロ

ードによりかかりながら眠っていたらしい。


「(その件は明日片付けると言っている。

 今日はこのまま直帰するから、後のこと

 は任せる)」


 綺麗なイントネーションで英語を話すク

ロードの声が意識の覚醒とともにクリアに

なっていく。

 母さんがたまに英語を聞かせてくれるこ

とがあって他のクラスメイトより多少はリ

スニングに慣れているけれど、それでもネ

イティブに会話するクロードの言葉はとこ

ろどころの単語しかぱっとは聞き取れない。

 走り続ける車の窓の外には俺が初めて見

るイギリスの街並みが広がっていて、本当

に外国に来てしまったんだという実感がひ

しひしと湧いてくる。

 飛行機の中でたっぷりとクロードに精を

吸われた俺はそのまま眠ってしまって、き

っとクロードがずっと抱き抱えて運んでく

れたのだろう。

 クロードに申し訳ないと思う反面、それ

をこなせてしまうクロードは改めてすごい

とも思う。


「(役員総会の終了時刻は何時だ)」

「(18時です。

 その後、オックスフォード支社役員との

 会食のご予定が入っておられます。

 マルク様が本邸にお戻りになられるのは

 その後かと)」

「(こちらが本邸に着く頃か。

 丁度いい)」





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