悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * フェロメニアが俺の暮らしている屋敷の 地下に一時期幽閉されていたことがあっ た。 …上から数えて何番目の兄だったかは忘 れたが、変わり者がいた。 その兄がどこでフェロメニアの存在を嗅 ぎ付けたのかは知らないが、皆が揃う席で 突然立ち上がって父上に抗議した。 “俺は反対です! あのフェロメニアが俺達のうちの誰に害 をなしましたか!? 俺達の中の誰に不利益をもたらしました か!? 何も…何もしていないでしょう?! 今すぐフェロメニアを解放するべきで す!” 酔狂かと思った。 人間は餌だ。 それ以上でも、それ以下でもない。 フェロメニアは少しばかり珍しく、交渉 材料になるほど美味なだけ。 自分だって今まで数多の人間を喰ってき た身でありながら、今更何を…と。 [*前][次#] |