[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「僕の言うことが信じられないんですか?」

「そうじゃ、ないけど…」


 でも“本当に?”と確かめたくなる程度

には現実味がない。

 そんな俺の心境を視線から感じ取ったら

しい兄貴は俺の頬に触れた指先を顎の方へ

と滑らせてくる。


「“クリスマスは恋人と過ごすから予定は

 いれられない”

 そう言って全員断っただけですよ」


 トクンッ


 心臓が跳ねた。

 パジャマの中で背中を撫でる兄貴の掌に

は走り始めた鼓動を悟られてしまっただろ

うか。

 脳の芯まで熱にやられてぼうっとしてき

た俺には、もうそんな俺を笑って見ている

兄貴に言い返せる言葉なんてなかった

 というより、もう触れたい。

 抱き締めて、キスをして、トドメに“好

きだ”って言ってくれたらきっと幸せすぎ

て溶けてしまうだろう。


「……」


 兄貴の首に腕を回して、視線を絡める数

秒も惜しくて唇を重ねる。

 何度も兄貴の唇を吸っていると誘うよう

に兄貴の唇が開き、そこに迷わず舌を差し

入れる。

 温かく湿った口内で兄貴の舌を舐めると

甘い痺れが舌を包み込み、じわじわと熱が

下半身に集まりだす。

 兄貴の唾液も、それが与える快楽も全部

欲しくて慣れない舌使いで兄貴の舌を味わ

う俺をせっつくように、触れられてもいな

い股間が下着ごとパジャマを押し上げ始め

た。


「んぅっ…」


 キスの角度を変えようとして、二人の体

の間ですっかり先走りを溢している先端を

兄貴の腹部に擦りつけてしまって吐息が乱

れる。

 もっと兄貴とのキスを味わっていたいの

に、はち切れそうになっている股間が待っ

てくれない。

 一刻も早く吐き出して楽になってしまい

たい体ともっと満たされたい心の間で揺れ

ていたら、パジャマの上から盛り上がった

股間を握られた。


「ぁぅっ…」

「それ以上続けたら1人でイッてしまうで

 しょう。

 いいんですか、それで?」


 敏感になっているそこを握り込まれて思

わず口を離して呻く俺の股間を兄貴はパジ

ャマの上からゆっくりと形を浮き立たせる

ように撫でる。

 もうそんな刺激さえも股間には毒で、パ

ジャマの上からだというのにもっとと股間

を擦りつけてしまう。


「よくない…けど、ぁっ、もっとキスした

 い…っ」


 腰をくねらせて耐えようとしている俺の

股間を意地悪く追い立てるように兄貴の掌

が扱く素振りをみせる。

 ビクビクと腰を震わせながらもイヤだと

首を横に振って兄貴の手首を掴んで止める

が、すっかり高ぶった股間はパジャマの中

ですっかりおもらしのような染みを作って

いた。


「キスをして辛くなるのは分かりきってい

 るでしょうに。

 それでもキスしたいんですか?」


 快楽で潤む視界で笑う兄貴に小さく頷い

て返すと、“仕方ありませんね”と呟いた

兄貴に兄貴の手首を掴んでいた右手を外さ

れてその人差し指と中指を咥えこまれた。


「兄貴…?」


 たっぷりと唾液をまとった舌が万遍なく

指先を撫でるのを感じながら、何をするつ

もりなのか分からなくて首を傾げる。

 そんな俺の指を唾液まみれにしてようや

く兄貴は俺の指を口内から抜き取った。


「その指で、自分で解してください」

「なっ、えっ…?!」


 ビックリして驚いている俺に腰を上げる

ように促した兄貴は、僅かに浮いた腰から

下着ごとパジャマのズボンをずり下ろす。

 すっかり先走りを溢して頭をもたげてい

る股間に引っかかったけど、それもパンツ

の中に潜り込んだ兄貴の掌に引っ張り出さ

れた。

 下着の中から解放された高ぶりは先端に

滲ませていた雫で下着との間に糸を引き、

俺の下半身ばかりが余裕もなく欲情してい

るのだという事実は涙が滲むほど恥ずかし

い。

 けれどそれ以上に今は兄貴が欲しかった。





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!