悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
「お兄ちゃん」
ぎゅううっ
「うん?どうした、麗?」
誰にも言えない秘密をどんどん抱えなが
ら、お兄ちゃんの腕に縋った。
結局、いつも夢渡りの一番最後に訪れる
のはお兄ちゃんの夢。
お兄ちゃんの夢はドロドロしていない。
いつでもぼくをちゃんと受け入れてくれ
て抱きしめてくれる。
ぼくの“夢”をお兄ちゃんの思考が短い
“休止”の間に無理矢理捩込んで馴染ませ
るようなことをしなくても、お兄ちゃんは
ちゃんとぼくを迎え入れてくれる。
ぼくが唯一ほっとできる夢。
肩の力を抜いて安心していられる夢。
夢の中でお兄ちゃんにいっぱいいっぱい
キスをして、ハグをした。
それは現実の世界でも繰り返している
し、目覚めるとお兄ちゃんは夢だったと忘
れ去ってしまうけれど…。
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