悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * 「人がつくる夢の世界には、必ず“休止” がはいる。 その休止の瞬間に、10%だけお前の “夢”を混ぜろ。 それを繰り返してその世界を自分のフィ ールドにするんだ」 人はレム睡眠とノンレム睡眠っていう深 い眠りと浅い眠りを繰り返してる。 人が夢を見る時は眠りの浅いノンレム睡 眠の時間だけで、ノンレム睡眠とレム睡眠 を何度も繰り返して人は目覚める。 夢魔はその名の通り、夢渡りをするけれ ど、夢魔がその人の意識の中にいられるの はノンレム睡眠の間だけなんだって。 だから必ず夢を渡らないといけない。 一人の人の意識の中だけには留まれない から。 そしてその人の夢に入り込んだら、自分 の意識を保ちながら少しずつ自分が作り出 した“夢”を混ぜて自分のものにしてい く。 やがてそれが100%になったら、もう その世界では自由になんでもできる。 それが夢渡りをしても自分自身が消され ないための方法なんだって男の人は言って た。 夢魔ならそこで気持ちの良い夢をみせて 生気を少し分けてもらう…らしいけど、ぼ くには絶対に必要なものじゃないって言わ れた。 それはぼくの体には何割か人間の血が入 っていて、現実の世界で食べ物を糧とする ことができるからだって男の人は言った。 それでも幼かったぼくの意識は誰かの夢 に流れつきやすくて、物心つく頃にはもう 夢渡りは毎晩の日課になってた。 [*前][次#] |