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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*




 部屋に戻ってきて、呆然とした。

 塾が早く終わって帰宅したら、部屋に駆

がいた。


 その目が見ているモノ、そして何をして

いるのかを理解した瞬間に、吐き気が込み

上げてきた。


 それは覚えがあるもの。

 5年前のそれを彷彿とさせる女の体が画

面の中で揺れている。


 …失念していた。

 駆本人には、トラウマなんてない。

 恋愛対象は異性であろうし、初体験もま

た異性になるだろう。

 そう…このままにしたら。


 画面に夢中になり、自らのものを扱いて

いる駆にそっと近づいた。

 そして、そんな汚らわしいもので抜いて

はいけないとその手に自分の手をかぶせて

止める。


「随分と楽しそうですね、駆」


 手の中で駆の体が跳ねた。

 一瞬で怯えと緊張が走るのが解る。

 自分が悪いことをしているという自覚は

あることにほっとして、中途半端に高ぶっ

ている始めて触れた駆のものをゆるゆると

扱き出した。

 一緒に風呂に入っていた頃よりは成長し

たようだが、自分と比べればまだ幼い。


「あ、兄貴っ…?」


 駆の声が動揺している。

 まるで続きをされるとは思わなかったと

言いたげだ。

 だからヘッドフォンを少しずらして、そ

の耳に吐息をかけながら囁いた。


「駆ももうそんな年頃なんですね。

 いいですよ。僕が教えてあげますから」


 そう、女になど汚される前に。

 この手で。


 快楽を1から教えて…貫かれなければイ

ケない体にしてしまえば女になど興味をも

たなくなる。


 汚れるな、なんて無茶は言わない。

 どうせ汚れるなら、この腕の中に堕ちて

くればいい。

 この手で愛撫されなければイケなくなる

ほどに…真っ白く汚してあげよう。

 大事に抱き締めて離さないから、この腕

の中で輝き続ければいい。



 それが人にも淫魔にもなれない半端な自

分が選んだ道。
 



              E N D





[*前]

あきゅろす。
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