悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * 子猫を撫でている手が止まった。 不安げな目が子猫を映すと子猫は小さな 声で鳴いた。 「詳しいんだね…白浜さん」 「昔、飼ってたから。 老衰で死んじゃったけど」 彼女は何かを決意したようにキュッと唇 を引き結んで顔を上げた。 「この子、預かってもらうことってできな い? うちで飼えないか聞いてみて、無理なら 引き取ってくれる人を探そうと思う。 その間だけ」 「きゅ、急に言われても…。 親にも相談しないといけないし」 無責任な善意は善意じゃない。 だから預かるなんて簡単には言えない。 ポケットに手を入れてスマホで時間を確 認する。 ……………ダッシュで帰って母さん達に 確認とってここに戻ってきて、もう一度帰 ってシャワー浴びて学校…だったらさすが に間に合わない。 でも、ここに置き去りにしたら何がある かわからない。 「今日、学校から帰ってくるまでならなん とかする。 ここに戻ってくる余裕もないから。 それでいい?」 ペットシートとか使ってもいいタオルと かあったかな… [*前][次#] |