[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 気がついたら子猫が彼女の影に隠れてい

た。

 怖がらせるつもりじゃなかったのに…。


「言い過ぎた…ゴメン。

 でも本当のことだから…」


 彼女だって悪気があって餌やりをしてい

たわけじゃない。

 子猫の声を聞き、姿を見て放っておけな

かったんだろう。

 あんなに小さい子猫が死なずに生きなが

らえてきたのは彼女の助けがあったからか

もしれない。

 やっていることが考えなしの無責任だっ

たとしても…。


「家で飼えないか聞いてみる」

「捨て猫の為に一家で引越しなんて簡単じ

 ゃない。

 子猫の間なら引き取り手が見つかること

 もあるから里親募集したほうが確実だ」


 彼女は子猫を抱き上げて撫でた。

 子猫は大人しく撫でられている。

 懐くまでの時間を考えれば決して昨日今

日の付き合いではないのだろう。

 そしてそこまで時間を共にしたのなら離

れがたいのかもしれない。

 でも彼女の家で飼える望みが薄いなら、

いずれ別れはやってくる。


「本当にそいつが可愛いなら、1番そいつ

 の為になること考えてやれよ。

 外においといたら車にはねられるかもし

 れないし、保健所に引き取られるかもし

 れない。

 トイレだって近所の家でするようになっ

 たら迷惑だって保健所に連絡がいくし、

 病気になったら病院にだって連れて行か

 なくちゃならない。

 それにそんなに小さいなら、飯食えない

 より寒さで凍えて死んじまうことだって

 ある。

 まだ朝晩は冷えるからな」





[*前][次#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!