悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
駆が颯爽と去ったゲームセンターの店内
には微妙な表情を浮かべた二人とダルそう
な雰囲気の西門。
「桐生って普段は大人しいけど、意地にな
ることってあるんだな」
「本人は楽しそうだからいいんじゃないか」
先ほどのやりとりを見ていた二人が感想
を言い合う横で話し相手がいなくなったこ
とでもう用はないと判断したのか西門はそ
のまま店の外に向かう。
「あ、西門。
桜内先生が探してたよ。
明日こそ放課後に職員室へ来いって」
「……」
西門は高瀬の声掛けにかろうじて立ち止
まったものの面倒くさそうに息を一つ残し
ただけで返事もせずに店を出ていく。
予想を裏切らない反応だが、高瀬がそん
な話をするのも学級委員長という役職の為
だ。
そういう立場の人間として一応伝えただ
けで、それ以上でもそれ以下でもない。
「こういうところ、桐生はすごいなぁって
思うよ」
苦笑いで余韻を噛みしめる高瀬の肩を叩
いて、加我は店の外へと促した。
END
[*前]
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