[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 クロードと二人でゲームセンターの喧噪

の中に入っていき真新しいゲーム台の前に

立つ。



「うーん、このへんでいいかなぁ」


 小銭を入れてイントロを聞きながらそれ

ほど難易度の高くない曲を選ぶ。

 レベルはもちろんノーマルモードだ。


「これってポップスとかクラシックとかあ

 るん?」

「うーん、ゲームによるかなぁ?

 既存の曲を使ってるゲームもあるし、オ

 リジナルの曲を使ってるゲームもあるか

 ら。

 このゲームの曲はプロじゃなくて、アマ

 チュアの人が作った曲の中で人気がある

 ものを選りすぐってゲームにしてるよ」


 説明している間にもメロディの出だしが

始まっていて、うっかり出だしを間違えた

らいけないとゲームに集中する。

 しかし初めて聴く曲でプレイするだけあ

ってちょこちょことたまにだがミスも目立

つ。


「うわ、押し間違えっ…」


 “た”まで言えない。

 曲調は明るいもののそんなにアップテン

ポではない。

 だが余計なおしゃべりを楽しむ余裕はな

かった。

 気を抜くとボタン連打や同時押ししない

といけないところが容赦なくやってくる。


「リズム乱れてるでー。

 ちゃんと音聴きや」

「そんなのわかっ、あっ」


 喋ることで集中力が落ちて余計にミスが

出る。

 もう最後まで余計な事喋らないぞと思っ

たものの、狂った調子は結局最後まで戻ら

ずじまいで、そこそこの点数で終わった。


「そないに落ち込まんでも。

 たかだかゲームやないか」


 慰めるようにポンポンとクロードの掌が

頭に乗ったけど、ゲーム終了時に思ってい

た以上にヒドイ点数が出てちょっと落ち込

む。


「うー、クロードもやってみればいいだ

 ろ」


 俺自身はやり込むほどのめり込んではい

ないが、だからといって初めてゲームを目

にしたクロードにいろいろ指摘されて余計

に凹んだ。

 見ているのと実際にプレイするのは違う

から、ぜひやってみてほしい。

 それでも俺のほうが点数が低かったら諦

める。


「俺?ええよ」


 クロードはあっさりした顔で頷いて小銭

をゲーム台に投入する。

 間もなく開始画面に戻り、クロードがイ

ントロで聞いて選んだ曲はまさかのアップ

テンポなロック系だった。


「え、それちょっと星の数多くない…?」

「星?」


 どうやら難易度の説明からしなきゃなら

ないらしい。





[*前][次#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!