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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「まったく、兄貴はホントたまに悪乗りし

 て真顔で怖いこと言うよな…」

「悪乗りじゃなくて本心ですけどね」

「………」


 ニッコリと笑うのはいつもの兄貴の顔。

 それでもいつもより優しく映るのは、今

夜がバレンタインだから…だけではないだ

ろう。


「か、考えとくっ」


 兄貴と暮らす…実家で家族と暮らすとい

うのとはきっと全然違う暮らしになるだろ

う。

 それはとても幸せな日々かもしれない。

 でもそのためには乗り越えなきゃならな

いハードルがきっといくつもあって、そう

答えることしかできなかった。

 ちょうど体の奥でじわじわと燻っていた

熱が無視できない程本格的に体を燻り始め

て、触れられてもいない高ぶりが先程放っ

たばかりの白濁で濡れながら上向いてく

る。

 抜かないままにされていた兄貴のモノが

蕾を捲り上げながらゆっくり抜かれ始める

と反射の様に蕾を締めてしまった。


「あと何回出せます?」

「ぁッ、わかんな…けど…」


 1人で高まっていく俺の股間におもむろ

に手を伸ばした兄貴が袋を揉みしだく。

 しかし逃れられない熱に下半身を襲われ

ている俺にはそんな些細な刺激も気持ち良

くて思わず腰を揺すってしまった。


「兄貴が…その…空っぽになるまでほし

 い。

 俺は…出なくなってもイケる、から…」


 声の最後が消え入りそうに小さくなる。

 自分が何を言っているのか自覚しているか

らこそ、恥ずかしさのあまり身の置き場もな

いけれど…。

 それでもそれが今の偽りない気持ちだか

ら。

 俺の中をいっぱいにして、全部注いでほ

しい。

 兄貴のが枯れるまで全部。

 その為ならからっぽになってなお放てず

に朝まで達し続けることも、逆に全部体内

に受け止めながら放てずに延々と拷問のよ

うな快楽によがり狂うことも、享受でき

る。

 むしろそうしてほしい。

 そうして今夜兄貴をずっと感じていた

い。

 俺の体内で兄貴の猛りがドクンと脈打っ

て存在感を増す。

 兄貴の目に獣の光が宿った。


「いいんですね?

 撤回するのなら、今のうちですよ?」

「いい、よ。

 っていうか、してほしい…」


 その目に魅入られながら、自然と喉が鳴

った。
 
 これは言わされたんじゃない、俺の本当

の気持ちだ。


「いいでしょう。

 最後の一滴まで駆の中に注いであげま

 す。

 失神したくらいで離してもらえると思わ

 ないで下さいね?」


 兄貴の中の獣が笑う。

 でもその獣だって兄貴の一部なんだ。

 兄貴の全てが欲しい。

 そして、きっと同じだけ俺はもう兄貴の

ものだ。


 夜なんて明けなければいい。

 いや、明けたとしてももう兄貴を手放す

ことなんて俺にはきっと出来ないだろう。




              END





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