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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 唾液が及ぼす媚薬効果なんて気にもなら

ないくらい下肢の熱ははちきれそうになっ

ていて、キスだけで達してしまいそうにな

るのを誤魔化しながらただ甘く熱い感触に

酔う。


「ぁっ、も、イキそっ…」


 零れ落ちてくる兄貴の唾液まで丁寧に啜

りながら耐える体は限界ギリギリで、胸の

突起を弄られただけで先走りを零す高ぶり

はもう達したくて悲鳴をあげていた。

 もっと兄貴と触れ合っていたいのに、も

っと兄貴のキスを味わっていたいのに、体

のほうがついてこれない。

 悩ましく思いながら熱を帯びた息を鼻か

ら抜くと、するりと兄貴の手がそこに触れ

た。


「イッていいですよ?

 それともイキたくないんですか?」

「あっ…兄貴と一緒にイキたい、から」


 耐えようとしているのにくびれのあたり

を指先でなぞられてると体がこらえきれず

に小さく跳ねた。

 体は泣きたいほど辛くて達してしまいた

いのに、まだ達してしまいたくない心がズ

ルズルと引きずられる。

 しかし兄貴の唾液のもたらす効果は俺の

気持ちすらあっさり押し流していき、先走

りを零すその小さな穴は痛い位に今か今か

と解き放ちたくてヒクついている。

 兄貴はそんな俺を見て心と体が相反して

いるのを察したのか、ゆるりと反り返って

いる高ぶりを撫で上げた。


「あッ、ダメだってばっ」

「イクならイッてしまいなさい。

 これ以上耐えられないなら、ココを解す

 なんて無理でしょう」

「ぁ、だけどっ」


 イキたくなくて踵をシーツに擦りつけて

耐えていたのに、兄貴の指先が肌を伝って

いった先走りで濡れる蕾をつついただけで

腰が浮いてしまう。

 早く繋がりたいのに、そこを解すために

愛撫される間耐え続けられる自信はない。

 触れてほしくて、奥を暴いてほしくて、

だけど体内に受け入れてしまったら指だけ

で達してしまいそうで怖い。


「なぜ及び腰になるんですか?

 イキたいと言ったじゃないですか。

 それに駆は一度イッたくらいでは満足で

 きないでしょう?」

「そ、んなっ…ちょっと待っ…!」


 兄貴が顔の位置を移動した、と思ったら

もうその吐息が直接かかる距離にいた。


「待ちませんよ。
 
 部屋中に甘い匂いが充満しすぎて眩暈を

 起こしそうなくらいです。

 僕がこれ以上の苦行に耐える必要がどこ

 にあるんですか?」

「ふっ、あぁッ…!」


 それ以上の言葉は待ってくれなかった。

 先端が生温かい口内に包まれ、唾液に濡

れる粘膜に先端を擦られたのとほぼ同時に

耐えきれずに精を放ってしまっていた。

 ビュクビュクと断続的に吐き出すそれは

一滴もこぼれ出すことなく兄貴の喉の奥へ

と消えていく。


「はぁはぁ…ぅあッ、吸わないでっ」


 ようやく揺れていた腰が動きを止めたば

かりなのに残滓まで余さず吸い上げられる

とそれだけでまた高ぶりが頭をもたげてい

く。

 甘美な痺れをもたらす蜜に包み込まれた

高ぶりは、なまめかしく這う舌に打ち震え

て更なる絶頂へと踏み出していこうとす

る。





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