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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「そんな濡れた目で、まだ懲りずにやめて

 くれなんて言うんですか?

 このまま扱いて吐き出したところで、体

 が物足りずに疼くのは誰よりも一番わか

 っているでしょうに」


 自分でもどうしたいのか、何を優先すれ

ばいいのか分からなくなって兄貴を見上げ

ていたら、からかうような笑みが降ってき

て俺の顎を指先で撫でる。

 後もう少し…後ほんの少し兄貴が押して

くれたらきっと俺は自ら望んで体を開いて

しまう。

 でもそれを俺自身が望んでいるのか、い

ないのかすらも下半身の熱に炙られてよく

分らない。


「まだ僕の唾液に頼らないと素直になれな

 いんですか、駆?」

「っ……」


 見透かされたような笑みに顔を背けた

が、それでは何も解決しないことは充分わ

かっていた。

 兄貴が求めている言葉も熱を燻らせる体

が欲しがるものも言葉にしてしまえば同じ

だ。

 兄貴の言うとおり、素直に言いさえすれ

ばきっと難なく与えられることも知ってい

る。

 だけど…。


「チョコの返事、まだ聞いてないっ…」

「返事?

 返事も何も、ちゃんと食べているでしょ

 う。

 他に何が?」


 ゆるゆると動く兄貴の指先に焦れったい

刺激を与えられて下肢が疼くけど、吐息を

吐き出しながら耐える。


「本命チョコ、だからっ…。

 返事、あっ、欲しいっ」


 ベッドに横になったまま兄貴の二の腕を

掴み、震える吐息を逃がす。

 視界にチラついた高ぶりはすっかり上向

いて、先端に先走りの雫を滲ませていた。


「返事なんて食べた時点で出ているでしょ

 うに。

 それともちゃんと聞かないと分からない

 くらい鈍いんですか?」

「…じゃなくてっ、ちゃんと聞きた、あっ

 やだっ…!」


 高ぶりを扱く兄貴の手がスピードを速め

て、ビクビクと反応する高ぶりは先走りを

零しながら震える。

 嫌だと首を振って兄貴の二の腕を掴む手

にぎゅっと力を込めると、ようやく兄貴の

手の動きが緩やかになって危うく達してし

まいそうになったのを持ちこたえる。


「キッチンで麗とイチャつきながら作って

 いたものを本命と言われても、ね。

 駆こそハッキリしたらどうですか?」


 身内には思ったことは遠慮なくストレー

トに言う性格だから、まず真っ先に突っ込

まれそうなそれを言わないってことは気に

してないんだと思ってたんだけど違ったよ

うだ。





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あきゅろす。
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