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悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


 それは兄弟でありながら、兄弟だけの繋

がりではない。

 でもそれが俺と麗の関係で、兄として麗

の手をひいてきたつもりが麗という存在そ

のものに癒され支えられてきたのだと気づ

いてしまった。

 これから高校生として多感な時期を迎え

て、高校でいくらでも彼女ができるだろう

と考えた瞬間の心のざわつきは本当に弟と

して接していたのなら説明のつかない感情

だった。

 俺達は兄弟だとしつこいぐらいに麗に言

い聞かせていた俺自身の感情が兄弟として

の一線を越えていて、俺の方が離れられな

くなっているのだと思ったらもう何も言え

なくなっていた。


「もう、いい…?」

「ん…」


 互いに息が上がる頃には俺の体内で麗の

指先はだいぶ自由に動き回れるようになっ

ていて、痛い位に張りつめているであろう

麗の高ぶりが早く欲しいと縁で麗の指を締

め付ける。

 許しを得た麗はふっと笑ってもう一つ俺

の唇にキスを落とすとズボンの中で窮屈そ

うにしていた高ぶりを取り出した。

 背丈と共にすっかり成長した高ぶりもす

っかり青年らしくになっていて、成長期が

まだ続くことを考えればどこまで成長する

のだろうと怖いような待ち遠しいような複

雑な心境だ。


「じゃあ挿れるよ?」

「うん」


 脚を開き蕾を上向かせる角度で腰を支え

て、先走りで濡れた麗の先端がその汁を塗

りつけるのを見つめる。

 じんわりと蕾の入り口を犯し始めた熱は

やはり唾液が与えるものよりも強くて、久

しぶりだというのに解された蕾は圧迫感に

喘ぎながらも淀むことなくゆっくりと確実

に押し入ってくる高ぶりを奥まで受け入れ

た。


「んっ、もういっぱい…」

「うん。

 兄さんのここ、キュウキュウしてる」


 でもこの好きが兄弟としての好きじゃな

いと自覚したからと言って、血のつながり

が消えるわけでも兄弟として過ごしてきた

時間がなくなるわけでもない。

 そんな感情を抱いたままこうして幾度も

体を繋げる行為に背徳感を覚えないと言え

ば嘘になる。

 麗はやっぱり俺の弟であることには変わ

りがなくて、その弟に貫かれて悦ぶなんて

人として間違っていると思う。

 でも、それでもやめられない。

 麗が与えてくれる優しさも安らぎも快楽

も、全部欲しい。

 全部が俺のものであってほしい。

 そして麗を欲する俺も、麗を守りたいと

いう俺も、背徳感に身を裂かれそうな俺

も、全部麗が受け入れてくれたらどんなに

幸福だろうと思う。

 兄弟であり、恋人であり、同じ罪の共犯

者でもある…そんな存在に。

 あまりに贅沢すぎてそんな願いは口が裂

けても麗には言えないけれど…。





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