悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
「い、言ってくれたら自分でとったのに。
そ…それにキスプリなんて撮ったことな
いし、今日は店の手伝いがあるからさっ
さと帰ってきなさいって言われてるから
無理かな」
今日は部活の日だからそんなこと言われ
ていないけれど言わないよりマシ。
「じゃあ決まりですわね。
私もキスプリは初めてでドキドキします
けど、きっといい記念になりますわ。
叔母様にはメールしておきます。お優し
いからきっとＯＫして下さるでしょう」
甘かった…。
遠回しに拒否したけどかわされてしまっ
た。
しかも店が忙しくてメール不精なあたし
の母さんのメルアドなんていつ交換してた
の…。
昔から莉華に甘かった母さん。
きっと莉華に言われたらすんなりＯＫし
てしまう。
…というより莉華がＯＫさせるような流
れにしてしまう。
あぁ、他の部員の視線が痛い。
今すぐ逃げたい、隠れたい。
莉華はなんの恨みがあってこんな仕打ち
を…
泣きたい心境のあたしに、まだ足りない
のか莉華がニッコリと最後の釘を打ち付け
てきた。
「さぁ、恵。部員が全員揃ったようです。
そろそろ第一回目の部活動を始めましょ
う、副部長」
“新聞部の部長と副部長はデキている”
共学校でまことしやかに囁かれた噂。
しかも事あるごとに莉華がそれっぽい言
動をするから噂にヒレがどんどん追加され
ていく。
あたしに平穏な日がやってくるのはいつ
なの………。
E N D
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