[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*


「もう上がるっ」


 鋭い時は不気味なほど鋭いくせに、変な

ところが鈍いとイライラしてきそうでザバ

ッと立ち上がる。

 だが伸びてきた手に手首を引っ張られて

バランスを崩した。


「ちょっと待って下さい」

「わっ!?」


 バシャンッ!

 歩き出しかけだったせいで、その腕の中

に飛び込むようにして倒れ込んでしまう。


「バッ…!危ないだろ!?」

「…やっぱり、甘い?」


 膝を強か床に打ち付けて怒鳴りつける

が、兄貴はそんな俺の事情などお構いなし

で俺の首筋に鼻先を近づけて小首を傾げて

いる。


「はぁっ!?

 なに寝言言ってるんだよっ。

 離せってばっ」


 別に欲情なんかしてないと膝の痛みも手

伝って兄貴を睨みつけ…ようとした。


「ぁっ…!どこ、触って…ッ!」


 俺が身構える暇もなく股間に手が伸びて

きて具合を確かめるように揉まれる。

 でも、いつ誰に見られるかもしれないこ

んな場所でするなんて勘弁してほしい。


「こんな場所で…やめろってッ…」

「何を意識してるんですか。

 パッと見にはじゃれあっているようにし

 か見えませんよ。

 それにしても…温泉の匂いに混じって解

 りにくかったんですけど、やっぱり甘い

 ですよ。どうしたんです?」





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!