悪魔も喘ぐ夜
*
「ねぇ、お兄ちゃん。
お兄ちゃんはぼくのこと、好き?」
「うん?うん…」
「どのくらい?」
「どのくらいって…」
言われても、困る。
麗のことは昔から好きだ。
勿論、弟として。
それは今でも変わらない。
でも麗はそれだけじゃ足りないんだろう
か。
「弟として、好きだよ。
それは変わらない」
「じゃあ…兄さんのことは?」
兄貴…言われて目線を伏せた。
なんて説明すればいいんだろう。
どう言えば、麗は誤解しないんだろう。
今の場所から堕ちたりしないんだろう。
「兄貴も…好きだよ。
でも、それは兄弟としてだし…。
早く目を醒ましてほしいって思ってる。
こんなことは…いつまでも続かない。
続いていいわけ…ない」
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