悪魔も喘ぐ夜 * 「っ………」 日常までも端から少しずつ浸食されてい く。 学校で授業を受けている間だけが唯一安 心していられる時間なんて…俺くらいでは ないだろうか。 家に帰り着くと玄関で麗が出迎えた。 しかし俺の顔を見るなり麗は兄貴を睨 む。 匂いで全てを察したようだ。 でも睨んでも何かを言うことはない。 兄貴と麗は今ではまともに口もきかない ほど仲が悪いくせに、暗黙の了解があるよ うで俺をその気にさせた方がその日の主導 権を握っているのか、もう片方は手を出し てこない。 つまりそれは体の休まる暇はないことを 意味していた。 腰が立たなくなるほど何度もされること がない代わりに、それが途切れることもな い。 [*前][次#] |