悪魔も喘ぐ夜 * 翌朝、俺は皆がまだ寝静まっている間に 足を忍ばせて家を出た。 朝の空気を吸って考えたかったのと、兄 貴に捉まりたくなかったから。 「っ…ふぅ…」 公演のベンチに座ると腰が辛い。 昨日1日寝ていたけれど、学校に無理し て行かなくて本当によかった…。 今日がこれなら、昨日はまともに教室で 授業なんか受けられなかっただろう。 早朝の公園にはまばらだが人がいた。 犬と散歩してる老人。 ジョギングしている若者。 仕事を終えたばかりのような疲れた人。 同じ高校のジャージを着て走っている人 もいる。 軽快な足取りで自販機の前まで行きジュ ースを買っている。 その爽やかさと今の自分を比べたら…言 葉にならない。 [次#] |