悪魔も喘ぐ夜 * 「ぼくね、やっぱりお兄ちゃんと一緒の部 屋がいいんだ。 1人だと寂しいんだもん」 中学生になって急に一人部屋を与えられ てまだ持て余しているようだ。 「そのうち慣れるよ。 俺も部活とか塾とかで兄貴みたいに夜が 遅くなるかもしれないし、そうなったら 部屋は別になっていたほうがいい」 「うーっ。 お兄ちゃんがいる時は一緒に居たい。 一緒にご飯食べたいし、一緒にテレビ も観たいし、お風呂も勉強も一緒がい いんだもん」 懐いてくれているのは嬉しいけれど、 これは…。 「でも学校の友達とも遊ぶだろう? 一緒に勉強することもあるだろうし」 「お兄ちゃんは別なの!」 麗は湯船の上でぷくっと頬を膨らませて いる。 [*前][次#] |