[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


「今度はさ、もっとカイルのこと聞かせて

 よ。

 クロード越しの関係じゃなくて、カイル

 とちゃんと友達になりたい」

「誰が人間なんかとっ…!」


 友達になりたいという言葉には打って響

くようなタイミングで返されてしまったけ

れど、今の俺はそんなことで落ち込まない

くらいには気分が安定していた。


「じゃあ勝手に頑張るからヨロシク」


 笑顔を崩さないままで言いきったらカイ

ルは片眉を吊り上げて震えるほど拳を握り

しめていた。


「人間如きが生意気なっ…」

「うん、しょうがないよな。

 だってほら、俺フェロメニアだし。

 淫魔のことってまだぜんっぜん知らない

 し、だからカイルと友達になりたいって

 思うのは自然だよな。

 カイルって良い奴だし」


 俺が言えば言うだけおちょくっていると

でも思うのか、カイルはどんどん苛立って

いく。

 本当につくづく真面目なんだなと思う。

 もう少し肩の力を抜けばいいのに、とも。


「今度さ、どこか遊びに行こう。

 もちろんクロードは抜きで。

 休みの日、聞いておいてな」

「戯言は死んでから言えっ!」


 カイルが青筋を立てながらそう叫んだ時

にはもう俺はヒラヒラと手を振って教室を

出ていた。

 こらえきれない笑みを口元に浮かべなが

ら。






[*前]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!