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悪魔も喘ぐ夜
*


「あっ、はぁ…っ!」

「気持ちいい、お兄ちゃん?」


 もうどんな言い訳も出来ない状況で体の

奥を突かれて喉が震える。

 強引に全てを攫っていく快楽の波もない

状況で理性が侵食されていく。

 思考の片隅でほくそ笑む影がチラつく。

 それが何か理解したくなくて耐えようと

するが、突き上げられる度に奥を抉られて

鮮やかな快楽が襲い、目を背けられない事

実をつきつけられる。


 “ほぅら、ご覧。

  奥まで穿たれて淫らに腰を振っている

のは誰?”


 耳の奥にこびりつくような笑い声。

 忘れてしまいたかったその声が、今にな

って顔を出す。

 毎日のように体を開かされ、幾度となく

穿たれ、すっかりその快楽に親しんでしま

った俺を嘲笑う。

 兄貴や麗に体を開くしかないと諦めた時

の決意すら形にできず、そのままなし崩し

に快楽に流されてしまった俺をしたり顔で

見下してくる。

 所詮は流される程度の覚悟だったのだと

麗に奥を穿たれながらたらたらと雫を零す

高ぶりを示す。

 ただでさえ麗に穿たれて感じてしまって

いる事実に擦り減っている理性を、さらに

容赦なく削り落としていく。


「あッ、あぁッ…!」


 でも今はもう言い返すだけの気力はない。

 奥を穿たれながら、それでもどうにかで

きると根拠のない自信を振り回すことはで

きない。


 だって気持ちいい。

 どうしようもなく、気持ちいい。

 いっぱい突いてほしい。

 たっぷり中を掻き回してほしい。

 弱い所を何度でも抉って、空っぽになる

までイかせてほしい。


「いいっ。気持ちいいっ!

 もっと突いて、いっぱいイかせてっ」


 ガクガクと揺さぶられながら快楽のまま

に口走る。

 咥えこむ縁で締め付けてやると、麗の腰

遣いに余裕がなくなっていく。


 クロードも麗も兄貴も…誰の手も退かせ

られないなら、元の家族に戻れないなら、

いっそもう何も考えられなくなるまで快楽

漬けにしてほしい。

 そうしたらきっと、何も考えなくていい。

 逞しいモノを受け入れて、快楽を貪って

いればいい。

 二人の未来を潰せないとか、拒むことで

離れてしまうのが怖いとか、もっともらし

い言い訳をしておけばきっといつまでも快

楽漬けの生活が続く。

 それはなんて魅惑的な誘惑だろう。

 俺がただそう望みさえすれば、堕れると

ころまで堕ちていける。





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あきゅろす。
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