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悪魔も喘ぐ夜
*


クロードはまだ不満げだったけどさっさと

終わらせないと帰れないと頭を切り替える。

 あまり遅くなれば兄貴も麗もいい顔はし

ないだろう。

 躊躇いたい羞恥よりさっさと終わらせて

しまわないとという焦りでシャツのボタン

を全て外した。

 極力何も考えないようにと心がけながら

ベルトを外し、ボタンとジッパーを下ろす

と解放された股間にクロードの掌が滑り込

んできた。


「んっ…」


 下着の上から形に添って撫でられると、

思わずくぐもった吐息が鼻を抜けていく。

 逃げ出したくても逃げ出せない緊張と、

これから耐えなければならない快楽を前に

体が震える。

 なんだかすっかりそれに慣れ染まってし

まっているようでこのままではいけないと

思う反面、かといって拒否することなど出

来るはずもないと諦めと期待が頭の中でな

い混ぜになっていく。

 これ以上考えてはいけないと思考を切り

替えようとしたら、下着の上から撫でまわ

していた掌が下着の中へと滑り込んだ。


「っ…」


 素肌に直に触れる指の感覚にピクリと体

が震える。

 しっとりとしてくる肌を擽るように撫で

回してから、とうとうやんわりとそこに触

れた。


「なんや期待してるん?

 もう反応してんねんけど」

「そんなこと、ないっ。

 チェックするなら早く…っ」


 耳をチリチリと炙られるような心地で悲

鳴を上げると、無防備にさらした肌の上を

クロードの舌先が滑るように撫で、色の違

うそこをくるりと円を描くように舐めてか

ら左の突起の周りの肌ごと口に含まれた。

 肌に歯が触れるのを感じながら、クロー

ドの吐息を受ける突起が幾度もその舌先に

弾かれる。

 弾かれる間に突起は弾力を持って尖って

いき、まるで欲しがるように頭をもたげた

突起をなおもしつこく弾かれた。


「ぁっ、もうっ、そこばっかり…っ」


 直に股間に触れたもののクロードの掌は

ほとんど動かず、むしろ感覚は胸に集中し

ていき小さなその突起から下半身に落ちて

いく快楽はまどろっこしくて喉から吐息が

漏れた。

 もう片方の突起も指の腹で押し潰されて

気持ちいいんだけれど物足りないような切

なさが腰に落ちる。

 毎日行われるチェックは俺の体の奥まで

開いて見なければダメだというクロードの

言い分を聞いて、もうチェックではなく愛

撫に近くなっている行為も最終的に体を開

く為に緊張するそこを解す行為として必要

なのだと言われれば嫌とは言えなかった。

 けれどももう必要もないくらいとろとろ

に蕩かされた体はどれほど指先で弄り回さ

れてもそこ止まりで、すっかり解され張り

つめた股間が熱から解放されるまでじっと

耐えなければならないのをチェックの度に

毎日繰り返すのは精神力を削り落とすのに

も十分だった。





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あきゅろす。
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