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悪魔も喘ぐ夜
*


 一方でクロードは全てを吸い取った後だ

というのにまだ惜しいのか舌を這わせてい

る。


「クロ…ド、もう離し…」


 ただ残滓を舐めているだけだと思って油

断した。

 クロードがいつまでも俺のを離さなかっ

た理由はそれじゃなかった。


「あっ…」


 じわり…と腰に熱がきた。

 残滓を丁寧に吸い取られた後で、唾液た

っぷりのクロードの舌に丁寧に全体を舐め

られたのだ。

 もしかして帰さないつもりか…そんな考

えが一瞬よぎったけど、俺の考えを否定す

るようにクロードは顔を上げた。


「もうええよ。

 今回だけは駆の言い分信じて、駆の気持

 ちが固まるまで待ったる」


 帰してくれるのか…?

 ようやく覚醒してきた頭で信じられない

ようにクロードを見上げた。


「え…?帰っていいのか…?」

「えぇよ。そういう約束やったやろ?

 俺は約束守るって言うてるやん。

 もちろん、駆がこのままここに居りたい

 って言うなら歓迎するけど」


 回らない頭でもさすがに帰らないという

選択肢はなくて、首を横に振っておく。

 しかしあっさり帰してくれるというクロ

ードの真意が見えない。


「ただし、条件一つ追加な。

 毎日ボディチェックさせて」

「えっ!?」


 そんなのは聞いてない。

 そもそも誰にも手出しさせない代わり

に、クロードも手を出さずに待っているっ

て言う話じゃなかったのか。


「だからってこんなっ…チェックにしたっ

 てやりすぎだろ…」


 じわりじわりとすっかり放って萎えたは

ずの高ぶりに微熱が集まってきている。

 クロードにそんなつもりはなくても、体

液一つでこんなふうになってしまうのに、

これを毎日なんて条件にされたら実質的に

クロードのお触り禁止なんてあってないよ

うなものだ。


「嫌ならええよ?

 俺は駆の意志を尊重したいから待つ言う

 たけど、嫌やったら遠慮なくけじめつけ

 させてもらうし」


 クロードの目が束の間冷えた光を帯びる。

 あくまでも約束という形はとるけれども

対等ではないんだとその目が言っている。


「わかったからっ。

 その…チェックしてもいいから、代わり

 に約束はちゃんと守ってほしい」


 それが条件だと示されるのならば仕方な

い。

 2人の身の安全や将来が、この体一つで

脅かされないのなら安いのかもしれない。

 それもどうするか決めてしまうまでの間

だ。

 その後でどうなるのかは分からないけれ

ど、とにかくそれまで兄貴や麗にはみつか

らなければいい。


「駆が約束を違えん限りは、俺も違えたり

 はせーへんよ」


 クロードはそう言っていつもの笑顔を浮

かべた。





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あきゅろす。
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