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悪魔も喘ぐ夜
*


「けどな、弟はともかく兄貴のほうはあか

 んわ。

 アイツは虫が好かんねん。

 駆がお願いせぇへんかったら、もうとっ

 くに握り潰しとんねんで?」


 大事な話をしている…わかっているけ

ど、塞き止められた熱量が体の奥で暴れ

る。

 それでもなおも弱い部分を責めたてられ

て、泣きながらイヤだと首を横に振った。

 クロードの言ってることも、体の奥で行

き場を失った熱量も嫌で、どちらが勝ると

言われても即答できないほど冷静な判断力

なんて既に失われていた。


「イクッ、イクぅッ…!!」


 前を戒められたままガクガクと腰が揺れ

た。

 後ろを抉っていた指の束をギチギチと締

め上げながら、熱量を吐き出せないまま達

する。

 余韻を味わう余裕なんてないまま、締め

付けの緩んだ隙をついてまた指が動き始め

る。

 吐き出せなかった熱量を体の奥で燻らせ

たまま、あっという間に再び絶頂へと体が

駆け上がる。


「かわええ…。出さずにイッたん?」


 責め立てているのは他でもないクロード

なのに、ビクビクと震える俺を眺めて満足

そうに笑う。

 冷気でも放ってるんじゃないかと思えた

空気はぐっと軽くなるけれど、こっちはそ

んなこと気にしている余裕もないまま極ま

っていた。


「もう俺以外の奴に触らせたらあかんで?

 駆にお願いされても叶えてやれへんわ。

 駆が気持ちの整理つけるまでは待ったっ

 てもええけど、この体は誰にも触らせん

 といてや。

 そうやないと…自分でも何するか分から

 んから、俺」


 クロードが何か言ってる…それだけ認識

するのでいっぱいいっぱいだ。

 それより締めつけられた高ぶりがダラダ

ラと白濁交じりの汁を零して震えているの

に全神経が集中していた。


「もう離してっ、お願いっ、お願いだか

 らッ…!」

「あっまいなぁ…たまらんわ。

 飲んでもええんやったら離したるよ?」


 気が狂いそうだった。

 もう飲もうが何しようが構わないから解

放して欲しい。

 再びやってきた絶頂にガクガクと震えな

がら首を振ると、生温かい口内の粘膜を感

じた直後に吐き出していた。


「あっ、はぁッ…!」


 呼吸が上手くできない。

 我先にと吹き出す白濁は一滴も零さずに

クロードの口内に吸い取られていく。

 ジュルジュルと吸い上げられて腰が射精

感に揺れたけれど、もう指を動かすのすら

忘れてぐったりと体をベッドに投げ出し

た。

 残滓まで丁寧に舐めとられている間も、

ただ肩で息をしてボーっとしていた。

 掴もうとする意識が手の中からすり抜け

ていって何も考えられない。





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あきゅろす。
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