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悪魔も喘ぐ夜
*


 クロードの言葉は脅しだと言えたらどん

なにいいだろう。

 でも、違う。

 事実から冷静に判断したらクロードは被

害者だ。

 言葉の行き違いで誤解はあったものの、

加害者にはならないだろう。

 だって俺は倒れたところを保護されただ

けで誘拐されたわけではない。

 拘束されて閉じ込められたわけではない。

 話をして、帰ろうとして、電話のあたり

から誤解が生まれておかしくなったんだ。

 しかし誤解を招くような言動をしたと仮

にクロードを責めても、それで全てが許さ

れるわけがない。

 俺がここでクロードを拒めば、クロード

は本気で警察に行くだろう。


「俺は…どうすれば、いい?」


 喉がカラカラでうまく言葉にできない。

 クロードの気持ち一つでその手で握り潰

せるものを見せられて、ゾッと背筋が凍っ

た。

 自分が犯した罪を自分の人生で償えと言

われたなら、自業自得だと諦めもつくだろ

う。

 でも俺の為に危険を冒してくれた二人の

未来が閉ざされるなんてあったらいけな

い。

 その為に何もしなかったら、俺はきっと

一生自分自身を許せなくなる。

 そんな気持ちすら見透かしたようにクロ

ードの顔に浮かんだ笑みを見て、俺はもう

逆らえないんだと悟った。

 この怪我が治ったところで被害届が受理

される期間、いやそれが二人の人生に影を

落とす間は逆らう事なんてできはしない。


「駆がちゃんと自分の立場っちゅうもんを

 わかってくれたんやったらええよ。

 俺やって何も好き好んで手荒な真似はし

 たないねん」


 クロードの指先がつつつ…と擽るように

内腿をなぞって驚いた体が震えた。

 それが暗に要求しているものを悟って、

俺は再び腰を持ち上げてクロードの目の前

に無防備な下半身を晒した。

 二人には助けにきてくれたことを無駄に

してごめんと心の中で詫びる。

 クロードには怪我っていう実害を与えた

ものの、結局その手の内から逃れられはし

なかった。

 それが現実だ。


「なに?続き、してほしいん?」

「んっ…」


 返事するより早く尻のラインを指先が滑

って、まだ窄まったままの蕾を暴いた。

 蕾の感触を楽しむように指先で撫で回さ

れると、すっかり萎縮していた体が少しず

つ解けてくる。





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