悪魔も喘ぐ夜
*
なんで、こんなっ…!
夢の中でまで体を好き勝手されないとい
けないのか…泣けるものなら泣いてしまい
たかった。
家、学校、そして夢まで侵食されたらど
こで安らげばいいのか分からない。
「こんなことして、ぁっ、なんになるんだ
っ?」
ぐちゅぐちゅと聞きたくもない音を響か
せながら指先が体の奥を探る。
体を動かすことも、指を押し出すことも
出来ななら、あとは説得するしか出来るこ
とはない。
「だってお兄ちゃん、いくら言ってもわか
ってくれないでしょう?
ぼくがどんなに好きって言っても相手に
もしてくれない」
「だからってこんなっ…!
こんなことしたって何の解決にもならな
いだろっ?!」
「なるよ?」
言い返せないだろうと思った言葉をあっ
さり言い返されて俺の方が戸惑う。
麗は一体なんのことを言っているのか。
「こうして毎晩毎晩ぼくに気持ち良くされ
てたら、そのうち気持ちが傾くかもしれ
ないでしょ?
ぼくが好きかもって。
そのきっかけになるだけでいいんだ」
俺の知らない顔をした麗が唇を塞いでき
た。
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