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悪魔も喘ぐ夜
*


「お兄ちゃんはどんなにぼくがキスしても

 好きって言っても、いっぱいエッチして

 もぼくのこと見てくれないよね…」


 ブツブツとよく聞き取れない声で呟く姿

はいつもの麗じゃなくて、俺の方が不安を

掻き立てられた。


「れ…麗?

 ちょっと強く言いすぎたけど、今のは麗

 が嫌いだったから言ったんじゃないから

 な?

 ただちょっと驚いただけで…」

「もう寝ようか、お兄ちゃん」


 言い訳をする俺に麗は不自然なタイミン

グでニッコリ笑った。

 一瞬なんのことか解らなくてきょとんと

する。


「麗…?」

「兄さんたちが全力を出してるなら、ぼく

 だって出してもいいもんね」


 ふふっとものすごく機嫌よく麗が笑う。


 …なんか吹っ切れた、のか…?


 それにしてはタイミングがおかしかった

気もするが、それ以上詳しく聞くのはなん

だか怖い。


「麗…変なことは考えてない…もんな?」


 それでもそれだけは確認しておかなけれ

ばと尋ねたら麗はにっこり微笑んだ。


「変なことってなに?」

「…だったらいいんだ、うん」


 何の確証も得られなかったが、それで納

得することにした。





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