悪魔も喘ぐ夜
*
「なんだ、元気じゃないですか。
その鬱陶しい顔を洗ってさっさとリビン
グに来なさい。
空腹だと思考がネガティブになって浮上
できませんよ」
「うっさいっ!もうほっとけっ!」
正論を言われても悔しいばかりで、出て
行けと体を押そうとしたらその手首を掴ま
れてしまった。
そして顔を寄せてきた兄貴の不機嫌な声
が背筋を撫でる。
「忘れていませんか?僕が駆を探してどれ
だけ校内を走り回ったか。
お説教するから覚悟するようにと、ちゃ
んと言ったはずですが。
狸寝入りで不貞腐れるほど元気なら、夕
食抜きだろうが容赦しませんよ?」
うっ…鬼がいる…。
すっかり反発する気力を削がれて、兄貴
に掴まれている腕から力を抜いた。
[*前][次#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!