悪魔も喘ぐ夜
*
じゃあクロードが俺に近づいたのは“調
査”の為…?
心の声が表情に出たのか、それを見つめ
ていたクロードの表情が初めて曇った。
「ほんまにそれだけや。
もう他に隠してることはあらへん。
嘘をついてることも、もうない。
いなくなった駆が心配だったんも、
保健室で可愛いって言うた気持ちも、
全部ほんまや」
「そんなこと言ったって今更信じられな
いっ」
情に流されそうになるのを振り切って首
を振った。
言っていることとやっていることが違い
すぎる。
嘘をつかれて何を信じたらいいのかわか
らない状況でそんなこと言われたって受け
入れられない。
「信じてたのに…信じてたのにっ」
やっとそれだけ喉から絞り出した。
関係は思い込まされたものだったかもし
れないけど、そこから先本当に一緒に過ご
した時間はせめて作り物じゃないと思いた
かったのに。
それすら調査の為だったなら、今まで懸
命に受け入れようとしてきた自分はなんだ
ったのか…。
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