[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


「正確に言えば俺達は従弟やあらへん。

 従弟なんは俺の父上とセシリア。

 その息子同士ちゅう関係や」

「なんで嘘ついたんだよっ?

 しかも変な能力を使って…!」


 ショックだった。

 どこまで俺を欺けば気が済むのだろう。

 簡単に信じ込む俺を試して面白がってい

るとしか思えない。


「従弟同士の子ゆうより、従弟っちゅうた

 ほうが近い気ぃするやろ?」

「たったそれだけでっ…!」

「それだけ、やない。

 親族なんはほんまやったし、どうせやっ

 たら気兼ねなく触れられる距離におりた

 かったんや」


 その真剣な眼差しの下で土台が覆る。

 今まで信じきたもの、クロードに対する

信頼そのものが。

 クロードの言う言葉がどれも信じられな

くなりそうな、そんな不信感。


「そこまでして駆に近づこうとした理由

 は?」


 何も言えずにいた俺の代わりに兄貴が口

を開く。


「セシリアから息子が半魔のフェロメニ

 アかもしれないと連絡が入った。

 その見極めと、もしフェロメニアであ

 ればどの程度その能力を有しているの

 かを見極めてこいと父上から命を受け

 た」





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!