悪魔も喘ぐ夜
*
「正確に言えば俺達は従弟やあらへん。
従弟なんは俺の父上とセシリア。
その息子同士ちゅう関係や」
「なんで嘘ついたんだよっ?
しかも変な能力を使って…!」
ショックだった。
どこまで俺を欺けば気が済むのだろう。
簡単に信じ込む俺を試して面白がってい
るとしか思えない。
「従弟同士の子ゆうより、従弟っちゅうた
ほうが近い気ぃするやろ?」
「たったそれだけでっ…!」
「それだけ、やない。
親族なんはほんまやったし、どうせやっ
たら気兼ねなく触れられる距離におりた
かったんや」
その真剣な眼差しの下で土台が覆る。
今まで信じきたもの、クロードに対する
信頼そのものが。
クロードの言う言葉がどれも信じられな
くなりそうな、そんな不信感。
「そこまでして駆に近づこうとした理由
は?」
何も言えずにいた俺の代わりに兄貴が口
を開く。
「セシリアから息子が半魔のフェロメニ
アかもしれないと連絡が入った。
その見極めと、もしフェロメニアであ
ればどの程度その能力を有しているの
かを見極めてこいと父上から命を受け
た」
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