悪魔も喘ぐ夜 * 「言っておくけど、拗ねてるんじゃない。 俺は怒ってるんだ。クロードが約束を守 らなかったから。理由は言わなくても分 かってるよな?」 「さぁ…何やろうな? ほんまに俺が悪いんやったら謝るし、こ っち来てゆっくり話そうや」 手招きされたのは車の中。 高級車だけあって内装も凝っている。 今の俺には関係のない話だけど。 「…俺が乗るとでも? そのままどこかに連れていかれない保証 はどこにもないだろ」 「あ、ええなぁそれ。昨日話したやろ。 俺の部屋で腰据えてじっくり…っていう のでもかまへんで?」 「…………」 俺の話を聞いていない。 聞く気がないんだろう。 それなのに自分の我を通そうとしてい る。 [*前][次#] |