悪魔も喘ぐ夜
*
肝心のクロードはというと、長いよう
な短いような時間沈黙した後で、ようや
く思いあたったようにまじまじと俺の顔
を至近距離から覗き込んできた。
「え?何…?
まさか、突っ込まんといてって言うてる
ん?」
そう言いながらまだ信じられないという
目をしている。
まるで初めて言われたような…信じられ
ないという顔だ。
「だっ………奥で…されたら、おかしくな
る…からっ」
そんなに驚きのあまりじろじろ見られる
ようなことを言っているだろうか。
見られている間に顔に上った熱が、まだ
信じられないように固まっているクロード
の言葉を待っている。
「…今時、処女でも言わへんよ?
こないに気持ちええ思いして、“挿れな
いで”なんて。
あかん…めっちゃかわええやん、お前」
獣の目をしていた顔がほんのりと朱に染
まった。
こんな歳相応な顔もするのかと言った羞
恥も忘れて逆にこっちが驚いてしまう。
[*前][次#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!