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悪魔も喘ぐ夜
*


 俺をこんな目にあわせている張本人に頼

りたくなんかなかったけれど、他にどうし

ようもない。


「センセ、お忙しいところえらいすんませ

 ん。

 ちょっと駆が体の調子悪いから、保健室

 のベッドで寝たい言うて…」


 俺の見ている前でクロードを見つめる先

生の目から一瞬だけ光が失われた。

 
「あら、そうなの?ごめんなさいね。

 今から職員会議で席を外さなきゃならな

 いの。

 悪いんだけど、休んでてくれる?」


 先生は保健室と書かれた名札つきの鍵を

クロードに手渡すと、“養護教諭不在”の

プレートをドアに下げて部屋を出て行っ

た。


 ごめんなさい、先生…。


 罪悪感にかられて心の中で謝った。

 それでももう耐えられない程火照る体が

1秒でも早く熱量を吐き出したくて疼いて

いるのも事実で。


「先にベッド行っとき?

 これでしばらくセンセ戻ってこおへんか

 ら鍵かけとくわ」


 返事は頷くだけにして、クロードがカギ

を机の上に置き扉に鍵をかけに行く間に腰

を庇いながらゆっくりとベッドに歩み寄っ

た。

 ようやくベッドに辿り着くと、安堵で体

から力が抜けた。

 床にへたりこむ俺の肩をクロードが背後

から叩く。


「まだ終わってへんで?

 服脱いでベッド上がり」


 カーテンでベッドの周りを囲ってしまう

と、クロードは回り込んでベッドの端に腰

掛けた。

 自分は傍観する側のようで、目の前で服

を脱げ、ということらしい。

 脱がされるのも嫌だけど、かといってじ

っと見られているのも視線に耐えられな

い。

 だけど早く解放してくれと服の下で自己

主張する体の熱に余裕はない。





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