悪魔も喘ぐ夜
*
口を開くと一度では飲み干せない量の唾
液が注ぎ込まれた。
クロードの唾液が喉の内側の粘膜を潤し
ながら体内に流れ込んでくる。
抗えない熱が下半身を襲うのにそう時間
はかからなかった。
早く解放されたい熱は痛いくらいにズボ
ンの布地を押し上げる。
すでに泣きたい気持ちでいると、クロー
ドが「駆の体調が悪いので保健室まで付き
添いますわ」と挙手して先生に告げた。
クロードの能力なのか、そのあんまりな
股間の状況には誰にも気づかれなかったよ
うだが、保健室に行くという俺を心配する
眼差しが股間に集まっているんじゃないか
という気がして穴があるなら全力で逃げ込
みたかった。
歩き出すと布地に擦られるだけでたまら
ない股間は下着の中で先走りを零して幾度
も達しそうになり、そしてその度に立ち止
まってやり過ごさなければならず、保健室
までの道のりが地獄のように長かった。
「ほら、もう少しや。
頑張り、駆」
まともに歩けない俺の体を支え笑顔で応
援するクロードにはもう何も言う気力はな
い。余裕もない。
ただただ早く保健室についてくれと、そ
れだけを考えていた。
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