[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


 確かなのは、頼んで手を引いてくれるよ

うな相手じゃないということ。

 股間を揉む掌が、明らかに股間のテント

をさらに内側から持ち上げさせようと手を

速めている。

 授業中、一人では教室を出て行くことも

出来ない状況で、その気になった掌から逃

れられる術はない。


「ほなら、口開き?

 気持ちええの飲ませたるよ。

 俺の舌を食いちぎろうなんて気にはもう

 ならへんやろうし」

「っ…。

 ここからなんて…歩け、ない…っ」


 トドメを刺してやろうと笑う目に、泣き

たい心持ちでイヤだと首を振った。

 忘れたかった昨日の玄関先でのことを思

い出す。

 あんな状態でここから保健室まで歩けな

んて…本気で言っているのか。


「心配せぇへんでも歩けへんかったら俺が

 支えたるよ」


 ニッコリと笑う笑顔が“優しいやろ?”

と同意を求めてきて、俺は言葉を失って…

それでもここで続きをされたくないなら覚

悟を決めるしかなかった。





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!