悪魔も喘ぐ夜 * 「…乱暴な姫さんやなぁ。 でも…俺が集中力切らすと、クラス中に 今こんなことしてるのバレるで?」 “誰が姫だ”と睨むが続く言葉に耳を疑 った。 顔を離して俺を見つめてくるクロードの 目が気づいたら赤く光っている。 ハッとした。 そういえばおかしいではないか。 こんなことをしていて、何故おじいちゃ ん先生に一向にバレない? ノートをとっているクラスメートが誰一 人こっちを見ない? まるで“何も不自然なことは起こってい ない”ように、教室の中で授業が続いてい る。 クロードと二人、教室にいるのにここだ け世界が切り離されたような違和感。 まさか、これがクロードの能力…? 「分かったら大人しゅうしとき? クラス中にこんなことしてるんがバレて もええんなら止めへんけど」 哂うその目はまるでバレたら困るのは俺 だろうと言いたげだ。 [*前][次#] |