悪魔も喘ぐ夜
*
「無理せんでもええやろ。
こないな退屈な授業、いるだけ無駄や。
保健室、連れて行こか?」
…保健室…連れて行く…二人きり…?
かろうじて頭が動いてそこまで結びつく
と、ブンブンとさっきより大きく首を振っ
てみせた。
「ふーん?
そやったら…目が覚めるおまじない、し
たろか?」
……おまじない?
頬をつねるとか、大きな音を出すとか、
するのだろうか。
それにしても…ねむ…い…
コクリッ…
重力に頭がひかれて頭が揺れた。
うー…ねむ、い…
目をゴシゴシと擦る。
ノートを取り直そうと思ってシャープペ
ンを握り直したら、顎を掴んで引き寄せら
れた。
やわら…かい…?
眠くて思考の動きが鈍い。
しかし眠い頭が遅れて唇を舐められたこ
とを鈍く理解した時にはもう下唇を吸われ
ていた。
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