悪魔も喘ぐ夜
*
「ね?お兄ちゃん…いい、よね?
ぼく我慢したよ?」
すりっ
「んっ…!」
唾液が効き始めた下半身にはパジャマ越
しに擦られるだけでたまらない。
思わず声が漏れると、麗が耳元に唇を寄
せてきた。
「お兄ちゃん、甘い香りがするよ?」
それはまるで宣告のようで。
耳に触れる唇は優しいのに、俺を逃すま
いと股間を擦る掌は逃げる余地をくれな
い。
もう一度時計を見た。
シャワーを浴びて、制服を着て、朝食を
食べて…出かけるまでの時間から逆算して
余るのはどれ位か。
「ほんのちょっとだけ、だぞ…?」
無駄と知りつつ先に言うと麗がニッコリ
笑った。
「うん。お兄ちゃん、大好き」
たっぷり唾液の絡む舌が入り込んでくる
キスを俺はもう拒まなかった。
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