悪魔も喘ぐ夜
*
“大袈裟だな”と苦笑いを浮かべると、
クロードが距離を詰めてきた。
「クロード…?」
顎を掴まれて引かれると、キスされるの
かと反射的に身構えてしまう。
そんな俺の目を、クロードはじっと見つ
めてきた。
「だって、俺たち恋人やし。な?
いろいろ挨拶せなあかんやろ?」
夕日に照らされて赤く見えた…そんな言
い訳もできないほど、そのグレーの目が血
のような赤い光を放つ。
なん…だ…っ?
目が離せない。
その赤に視線が吸い込まれて絡め取られ
て…思考に濃い霧がかかっていく。
「ほんまはちゃんと駆を可愛がりたかって
んけど、今日はここまでや」
空いているほうの手がスルリ、と制服の
上から尻を撫でた。
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