悪魔も喘ぐ夜 * そうこうしているうちに家が見えてきて しまった。 「クロード、もうついちゃったけど…?」 「あ?…あー、ほんまや。 残念やなー。 まだ話したいこといっぱいあってんけど なー」 あんなに喋っててまた話し足りないの か…。 下校中、ほぼ一人で喋りきったクロード を見ながら呆れてしまった。 「じゃあ、ついでだし寄ってく? ずっと喋りっぱなしだったし、喉渇いた だろ?」 そのまま帰すのも気が引けて言ってみる が、クロードは“うーん…”と考え込む素 振りをした後でニコッと笑った。 「…今日はええわ。 挨拶はまた次の機会で、な」 「挨拶なんて…従弟なんだからそんなに畏 まらなくても…」 [*前][次#] |