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悪魔も喘ぐ夜
*


 体が、熱い。

 じっとりと体にまとわりつく熱が離れて

くれない。


 こんな体で歩いて帰れるのか…?

 でも学校で…されるなんて嫌だ。

 トイレにでも逃げ込めば…


「…一人でするくらいなら、この僕が抜い

 てあげますよ」


 トイレを見つめる俺の思考を読んだよう

に耳元で囁かれた。

 兄貴の吐息がくすぐったいと思った時に

はもう食まれてしまっていた。

 ゾクッと背筋を撫でたものが腰に落ち

る。


「やっ!離せよっ…!」

「そんな甘い香りを漂わせながら言われて

 も、ね?

 …まぁ僕としては帰ってからゆっくり味

 わうのでも一向に構いませんよ?」


 この体質が恨めしい。

 意地悪く笑う兄貴の顔にも鞄を叩きつけ

てやりたい。





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