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悪魔も喘ぐ夜
*


「いいじゃないですか、家族のスキンシッ

 プで押し通せば」


 案の定兄貴は悪びれもせずに言う。


「家族でもしないだろっ」

「言い訳できないキスっていうのは、こう

 いうキスでしょう?」


 兄貴が覆いかぶさるように顔を近づけて

きて俺の顎を引き唇を舐めてくる。

 中に入り込みたがって唇を割ろうとする

舌に嫌でも唇をピッタリと閉じていると、

ブレザーの間に掌が滑り込んでシャツの上

から突起を捻られた。


「ッあ…」


 声が漏れて唇が離れた隙に舌が滑り込ん

できた。

 舌を押し出そうとしても兄貴の舌は滑っ

て俺の口内を舐めまわす。


 勘弁してくれっ。

 こんなキス、ホントに誰かに見られたら

言い訳できない…っ


 それでも兄貴の舌を濡らす唾液が口内に

馴染んでいく頃には下半身に熱が籠り始め

てしまう。


「んっ…ふぅ…」


 引き出した舌を吸われて、思わず鼻にか

かった吐息が漏れてしまう。

 そうしてようやく満足したのか唇が離れ

た。

 頭がぼうっとする。

 下半身がじわじわと熱い。


 でも、もうわかっている。

 それは兄貴の唾液が原因で、俺が感じて

るせいじゃないって。


「ふふっ。気持ちよさそうですね。

 抜いていきますか?

 生徒会室なら鍵をかけられますよ?」

「やだっ。

 絶対、それだけじゃ終わらないだろっ」


 口元を拭いながら睨むが、当の兄貴は笑

ったまま反論しない。

 悪いとすら思っていないところが憎らし

い。





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